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noteアクセシビリティ2022

こちらはアクセシビリティ Advent Calendar 2022 21日目の記事です。


2021年から始まったアクセシビリティの活動も、丸2年を経過しました。
定期的に記事にまとめていますが、大きいポイントだけ抽出した記事を書きたいと思いました。

発足から1年間の動きはこちらの記事をご覧ください。

noteとアクセシビリティインタビュー

去年に引き続き、全盲、弱視、色覚特性、上肢障害さまざまなインタビューを行いました。このインタビューという取り組みは「インタビューが無ければチームも解散していた」と言えるくらいに重要な要素です。

我々にとってのインタビューは課題を見つたり、ユーザーテストとしての意味合いももちろんあるのですが「ユーザーが喜ぶ顔が見たいから改善する」というシンプルな動機を産む機会でもあります。

「アクセシビリティの浸透を心から願っていることが、インタビューをしたみなさんから伝わってきます。一人ひとりの熱量が本当に高くて毎回驚きます。『自分たちで世界を変えていく』という想いを感じて、より努力しようと前向きになれます」

https://engineerteam.note.jp/n/n7b3998daa581

世のプロダクトはまだまだアクセシブルでは無く、要望を送っても返答がないことも多く「期待することを諦めている」というお話をよく聞きます。そういった経緯もあり、noteで行うインタビューでは非常に参加者の方々が積極的で、我々としても非常にモチベーションになっています。
ユーザーが求めていて、改善したいと思っている開発者がいる。この条件が揃っていて、始めない理由はないですよね。

ユーザーから期待されて、改善し、ユーザーの期待に応えて、自分たちのモチベーションにする。このサイクルがアクセシビリティ向上を続けていくためのコツだと実感していますし、ちゃんとユーザーを見てプロダクト開発することの良さを最大限に得る機会になっています

エディタ改段落の読み上げ

noteのエディタはcontenteditableを利用したものになっており、このブロック内のスクリーンリーダーによる読み上げが非常に難しい要素でした。1回のエンターキーで改行、2回で改段落としておりこの操作は視覚的には理解できても、読み上げされないスクリーンリーダー環境では文章の表現しづらい状態でした。(都度プレビューを確認したり、知人に聞いて画面上でどうなっているか確認しているようでした)

何度かのインタビューを通して、どれくらいの冗長性を持たせるのかという議論も行いました。都度読み上げさせると、読み上げ自体が体験阻害になりうる。伝える文章もどこまで簡略化して伝えるかという議論もありました。

結果として現在のエディタに改段落の読み上げは反映され、それに気づいたユーザーからも熱いメッセージをいただくこともあります。(noteではこういった熱い様々なフィードバックが多く届きます。)

社内の動き

現状はまだ全てのプロダクト開発フローにアクセシビリティチェックや観点を入れ込むまで到達していません。ただ、新規プロジェクトや大きめの機能などに関しては、声がかかることが増えてきました。そういった場合は、チェックを請け負うのではなく、一緒にチェックをすることで2回目以降のハードル下げを行ったり、「これってa11yチェック必要ですかね?」というコミュニケーションが発生しやすくなるための行動をしています。

そういったチームの外のアンバサダー候補を見つけて、サポートしていくことでチームのキャパを超える広さに影響させられると考えています。

noteの緑

本日noteのロゴが変わりました
それに伴い、ブランドカラーだった緑がブランドカラーではなくなり、機能色としての濃い緑になりました。コントラスト比としてはAAは達成出来ていませんが比率は2.54から3.99に上昇し、より多くの人がアクセスしやすくなりました。デザインシステムのメンバーがリードし、今回のロゴが変わるタイミングでa11yの考慮を反映することができました。(カラーに関するプロセスはそのメンバーが記事を書いてくれることを期待して…)

過去に実施したユーザーインタビューの際でも、色覚特性の方から強調であるはずの緑がグレーとして見えており、非活性の印象を与えていることが判明しました。当時はブランドカラーでの解決ではなく、形状変化を持たせて選択状態や強調を表現するアプローチを取りましたが、色を変えるという選択肢が取れるようになり、幅広い解決方法を検討できるようになります。

まとめ

今年の取り組みで大きい要素を取り上げたのですが、実際にはもっと細かいこともやっていますので、過去の記事などをご覧いただくと参考になるかもしれません。

今年はチームとしても念願の初懇親会を開催出来(コロナの山にぶちあたり延期されていた)ました。a11yに関わってくれていた退職したメンバーも参加し、noteのアクセシビリティを支えるメンバーを実感できました。

1年前の今と比べると、対象となる課題も変化しています。目先の課題が少しづつ減っていき、大きい課題・少し未来の事に向き合っていく必要性を感じています。
より一段上にこのチームで登る必要がありそうです。

夜に佇む8名の男たち
アクセシビリティチーム


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